会報 第143号

会長 ご挨拶

 

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会

会 長   有 吉 万 里 矢 

(東京都立光明学園PTA会長)

 

 

 全肢P連ホームページをご覧くださり、ありがとうございます。全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会会長の有吉万里矢と申します。東京都立光明学園高等部2年に重度重複障害のある息子が在籍しています。

 

 先ずは、今年度の全国大会についてお知らせします。多くの観光客で賑わう熱い大阪の地で、第68回PTA・校長会合同研究大会「大阪大会」を8月20日(水)から21日(木)の2日間にわたり開催します。会場は万博会場から車で20~30分ほどの距離にあるグランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)、大会テーマは「なにわともあれ、友と繋がり、共に生きる、大阪から愛と笑顔、輝く未来へ」です。8月20日(水)13時より開会式が始まります。今年度は近肢P連のPTA・校長会夏季合同研修会と合同開催になりました。大阪をはじめとする近畿地区の皆さまのパワーをお借りしながら、熱気あふれる2日間にいたしましょう。ぜひご参加ください。

 余談ですが、大会と同日夜、同会場にて日韓合同の人気ボーイズグループNEXZ(ネクスジ)のコンサートが予定されています。虹プロ男子推しの方にはまた別の楽しみもありそうです。

 

 さて、障害児者を育てる者の関心事として、「子供の成長」「福祉制度」「災害時」「卒業後の生活」「親亡き後」などが挙げられます。個人で考え、調べることも重要ですが、先輩保護者や仲間から得られる情報は非常に有益です。ネットを眺めていると、気付かぬうちにフィルターバブル現象やエコーチェンバー現象(個人の行動や嗜好、検索履歴に基づいた情報で囲まれ、また、同じような考えを持つ人の意見を見聞きし続けることで、自己の考えが強化され、異なる意見や価値観が見えなくなってしまうこと)に陥ってしまうことがあります。課題を仲間や支援者と共有し、ともに考え、必要な時は「世の中へ訴える」という手段を講じてまいりましょう。一人ひとりの声は小さくても、皆が集まれば大きな声になり、世の中の仕組みを変えることさえできます。
 PTA活動は、子供たちを真ん中にして、保護者と先生方、関係する皆がどうしたら気持ちよく過ごせるのか、将来を豊かに過ごせるのかを考えることを基軸とした活動です。スクールバスや放課後等デイサービスなど、今では当たり前と思えるような支援や制度も、当事者とその家族、先生方の声によって築かれ、整備されてきました。全くノウハウのなかった特別支援教育の道を拓いてきたのはその教育を担った先生方であり、保護者や児童生徒を取り巻く人々の連帯感がその歴史をつくってきたと教えられました。今ある環境に感謝しながら、次の世代の子供たちとその周囲の人たちがより快適な環境で日々を過ごせるようにと考えること、それこそが特別支援学校PTAの存在意義だと思っています。会員同士がつながり、そして支援者や地域とつながり、情報交換できる場を提供すること、皆の課題を声にすることがPTAの重要な役割ではないでしょうか。

 6月19日(木)に全国特別支援教育推進連盟加盟団体として、文部科学省、こども家庭庁、厚生労働省へ令和8年度予算要望書を提出いたしました。本連合会からの予算要望事項はこのホームページにも掲載していますので、ぜひご覧ください。

 今年度は、例年より半月以上早い提出となりました。各省庁の皆さまが要望内容の実現に向けて前向きに考えてくださっているという証です。文部科学省とこども家庭庁においては陳情のための時間をもいただきました。次年度の予算案に盛り込まれ、実際に予算化され、実行性のある施策が講じられることを切に願っております。

 PTA活動の柱である要請行動は、肢体不自由校に在籍する全ての子どもたちのための活動です。実現した制度に会員か否かは関係ありません。一人でも多くの方にPTA活動に関心を持っていただけるよう、私自身も理解促進に努めてまいります。

 今年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

相談役 ご挨拶

 

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会

相談役 島 添 聡

(全国特別支援学校肢体不自由教育校長会会長、東京都立光明学園統括校長)

 

 全国の皆様、こんにちは。昨年度に引き続き、令和7年度全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会の相談役を務めさせていただくことになりました、島添 聡(しまぞえ さとし)です。今年度も、有吉会長をはじめ各ブロック長(全肢P連副会長)の皆様へ御助言申し上げるとともに、肢体不自由特別支援学校の今後のあり様について一緒に議論を進めていきたいと思います。

 

 各学校では、子どもたちの笑顔とともに、日々の教育活動が力強く展開されていることと思います。PTAの皆様、そして地域の皆様の温かい支えがあってこそ、教職員は教育活動の充実に力を尽くし、子どもたちは安心して学び、成長することができます。

 

 さて、現在こども家庭庁を中心に、こども性暴力防止法施行準備検討会が開催されています。これは、令和6年6月19日に「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」(こども性暴力防止法)(いわゆる日本版DBSといわれるもの)が成立し、公布日(令和6年6月26日)から2年6か月を超えない範囲において政令で定める日に施行することとされており、その円滑な施行に向け、必要となる下位法令、ガイドライン等の検討を進めるための有識者の検討部会です。
 この法令は、子どもたちの一人ひとりの人権を守るための重要な一歩であり、私たち教育関係者にとっても、より高い倫理観と専門性が求められることを示しています。その施行に当たり、学校では教員の採用選考や配置、その後の研修など、大きな影響があることが懸念されています。また、放課後等デイサービスも同様となります。

 

 さらに、ICT機器を活用した授業づくりや学校における安心安全な医療的ケアの実施、災害時対応など、特別支援学校における課題は多岐にわたります。特に、肢体不自由のある子どもたちにとって、学びの継続性や社会参加の機会を保障するためには、学校・家庭・地域が一体となった支援体制の構築が不可欠です。全国のPTAの皆様とともに、こうした課題に向き合い、子どもたちの可能性を最大限に引き出す環境づくりを進めてまいりたいと考えております。

 

 子どもたちのもつ潜在能力は無限大です。私たち大人がその芽を信じ、育み、支えることで、子どもたちは自らの未来を切り拓いていく力を身に付けていきます。今後とも、皆様と力を合わせ、より良い特別支援教育の実現に向けて歩んでまいりましょう。

新ブロック長(全肢P連副会長)のご紹介

■ 北海道・東北ブロック長 

三 宅 克 実 (山形県立ゆきわり養護学校PTA会長)

 

 今年度、北海道・東北ブロック長を務めることになりました山形県立ゆきわり養護学校PTA会長の三宅克実と申します。
 私事で恐縮ですが、障がいをもつ我が子が高校生、進路を選択する時期になりまして、肢体不自由児の将来というものに対して改めて考えさせられております。卒業後の日常生活はどのようになるのか、何をして過ごすのか、就労への壁、インフラの問題等、考え始めると色々な不安が出てきます。昨今はPTAそのものの在り方について問われておりますが、PTA活動を経て、同じような不安や悩みを抱える保護者の方々との情報交換等、PTAが何か一つでも有意義なものを得ることができる場となれば良いかと思っております。
 微力ではございますが、一年間よろしくお願いいたします。

 

■ 関東・甲越ブロック長

 大 貝 恵 美(埼玉県立日高特別支援学校PTA会長)

 

 令和7年度、関東・甲越ブロック長を務めさせていただきます、埼玉県立日高特別支援学校PTA会長の大貝恵美と申します。
 本校は、昭和59年4月に開校した、肢体不自由の児童生徒を対象とした特別支援学校です。
 去る7月8日に開催いたしました、令和7年度第61回関東甲越地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会及び校長会合同研究協議「埼玉大会」では、250名を超える参加申込みをいただき、各分科会で実践研究発表や情報共有を活発に行うことができました。会員の皆様の積極的なご参加に対し、心より感謝を申し上げます。
 埼玉大会では、オンラインならではの利便性を生かし、参加しやすい環境を整えるとともに、学びと交流の場を提供できたと確信しております。この経験を活かし、更なる地域連携と交流を深め、全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会の発展に貢献して参ります。 
 一年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 中部ブロック長

 松 本 浩 一(静岡県立西部特別支援学校PTA会長)

 

 こんにちは。令和7年度、中部ブロック長を務めさせていただくことになりました、静岡県立西部特別支援学校PTA会長の松本浩一です。今年でPTA会長4期目となります。長期となりましたので長年の慣習などを見直し、参加しやすいPTA活動を目指しています。

 PTA活動の優先順位として、①子供たち、②保護者・教員、③PTA活動としています。改善したところでは、役員定数の削減、行事の見直し削減、PTA役員会をWEB閲覧で参加可能として、教室待機や訪問教育の保護者の皆さんが参加できるようにしました。以前参加させていただいた中部地区肢体不自由特別支援学校PTA連絡協議会や全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会での各校の御意見などを参考に改善してきましたので、今後も幅広い御意見や事例を参考にして、家族の在り方の変化に合わせたPTA活動について考えていきます。最重要は、子供たちが少しでも過ごしやすく、卒業後も安心して過ごせるお手伝いをすることが目標です。

 

■ 近畿ブロック長

 小 山 真 澄 (大阪府立東住吉支援学校PTA会長)

 

 令和7年度、近畿地区ブロック長を務めます、大阪府立東住吉支援学校PTA会長の小山真澄と申します。
 PTAのあり方が問われている昨今ではありますが、大阪府立支援学校PTA協議会や近畿地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会、全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会に参加して、多くの方々と出会い、お話しするなかで学んだことを、自校のPTA活動にも活かしていきたいと思っております。
 さて、今年度の全肢P連全国大会は大阪で開催され、本校が主管校をさせていただきます。『なにわともあれ 友とつながり 共にいきる 大阪から愛と笑顔かがやく未来へ』をサブテーマに、昨年度の石川大会の想いを引き継いで、全国の皆さまとともに実りある2日間を過ごしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 中国・四国ブロック長

 堀 川 由 美 子 (山口県立防府総合支援学校PTA会長)

 

 令和7年6月5日に、中国・四国地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会およびPTA・校長会合同研究会やまぐち大会が、当校を事務局校としてオンライン形式で開催されました。
 本年度は、今まで2日にわたり行っていた会を1日開催とさせていただきました。ご協力いただいた関係者の皆様に感謝申し上げます。

 

 研修会では、岡山県立岡山支援学校の星川PTA会長による「一人一人が安全・安心な学校生活を送るために学校(教職員・保健室・看護師)と保護者との連携について」というテーマで医療的ケア児の学校生活についての発表がありました。
 また、山口学芸大学の田村先生より「特別支援学校におけるコミュニティスクールについて」ご講演いただきました。貴重なお話を伺う事ができ、大変有意義な時間となりました。
 今後、医療的ケアや通学支援など、子供たち一人ひとりの多様なニーズに応じるためには、保護者と学校との密接な連携が欠かせません。また、保護者同士が交流し、情報を共有し合うことで、精神的な支え合いや不安の軽減にもつながります。さらに、地域や行政と協力して障害への理解を広める活動を行うことは、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向けた大切な一歩です。今後も、子供たちの未来のために力を合わせてPTA活動に取り組んでいこうと思います。

 

■ 九州ブロック長 

 高 祖 沙 織 (佐賀県立金立特別支援学校PTA会長)

 

 令和7年度、九州地区ブロック長を務めさせていただきます、佐賀県立金立特別支援学校PTA会長の高祖沙織と申します。
 今年度の九州地区肢体不自由教育研究協議会としましては、本県にて久しぶりのオフライン、そして一部ではございますがオンライン配信で開催いたします。
 皆さまご承知のとおり、全国の魅力度ランキングでは圧倒的な下位に鎮座する佐賀県ではありますが、当校を合わせ3校の精鋭の先生方を中心に、魅力溢れる大会になるよう目下準備中です。
 我が息子ちゃんも中学部3年。PTA活動への参加も残り少なくなりました。
 今、出来ることは出しきる年とし、今後は伝え、支える側となれるよう取り組んでいきたいと思っております。10月、皆さまとお目にかかれることを楽しみにしております。

「そいぎんた。」(「それでは」、「またね」)

 

令和7年度役員名簿

【3】令和7年度理事評議員名簿

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令和7年度役員名簿PDF