会報 第140号

会長 ご挨拶

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会

会 長   有 吉 万 里 矢 

(東京都立光明学園PTA肢体不自由教育部門会長)

 

 「しぴれん会報 第140号」をご覧くださりありがとうございます。

 昨年度に引き続き、令和6年度も全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会会長を務めることになりました東京都立光明学園PTA肢体不自由教育部門会長の有吉万里矢と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 国内初の公立肢体不自由教育校「東京市立光明學校」は昭和7年に創立されました。息子が在籍する「東京都立光明学園」の前身です。光明学園では今年12月の開校記念日に、肢体不自由教育創始90周年記念式典を開催する予定です。90年という長い歴史の中で幾多の変遷を経て今の肢体不自由教育が在ることを思い、関わってくださった全ての皆さまのご苦労とご尽力に心より敬意と感謝の意を表します。

 本連合会は昭和33年に設立、今夏で67年目を迎えます。島添校長先生を始めとした全国特別支援学校肢体不自由教育校長会にお支えいただきながら、良き伝統と実績を継承し、活動を推進してまいります。日本型インクルーシブ教育の構築・実現に期待を寄せながら、障害児者を育てる者、日々関わる者として子供たちを取り巻く社会動向を見守り、声を上げ続ける必要があります。来たる肢体不自由教育創始100周年に向け、本連合会が子供たちの未来を拓く一翼を担えるよう、私自身も精進してまいります。

 

 昨夏は4年振りに参集形式にて全国大会を開催しました。「栃木大会」実行委員会の皆さまのご勇断に感謝しております。コロナ禍によりオンライン形式の会合が普及し一般的になりましたが、感染症の状況の変化に伴い、対面で会うことの価値と意義とが再認識されています。宇都宮駅に程近い会場には約400人の会員の皆さまが集まり、暑くて熱い2日間を共に過ごしました。栃木県立のざわ特別支援学校を始めとする栃木の皆さま、ご準備から報告書の作成に至るまで、本当にお疲れ様でございました。

 今夏の全国大会は「石川大会」です。昨年度同様、参集形式にて開催します。会場は、金沢駅よりIRいしかわ鉄道にて2駅ほどの場所に在る石川県立いしかわ特別支援学校です。卵の形をした翡翠色の屋根がシンボリックな体育館には500人超が収容可能、開会式や基調講演の会場となる予定です。私たちは石川から学ぶことがたくさんあります。8月19日からの2日間は会員の皆さまの心が寄り添う時間となることをお約束します。ぜひ金沢でお会いしましょう。

 

 さて、7月9日に全国特別支援教育推進連盟を通して、文部科学省、こども家庭庁、厚生労働省へ予算要望書を提出いたしました。また、文部科学省、こども家庭庁では懇談の場を頂戴しました。限られた時間ではありましたが、一言一句に思いを込めて、子供たちや保護者、関係する皆さまの現状をお話ししました。予算要望書の内容は本連合会のホームページに掲載しています。どうぞご覧になってください。

 価値観が変容し、社会全体が方向性を模索している中だからこそ、意思を示していくことが大切です。PTAの基盤は「つながり」です。その真ん中には子供たちがいます。一人でも多くの人に「特別な支援を必要とする子供たち」へ興味を抱いてもらえるように、皆さまの心と力、知恵とを合わせ、積極的に理解啓発を図ってまいりましょう。今年度もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

※昭和33年7月4日・5日に「全国肢体不自由養護学校PTA連合会」結成式を開催する。

(参加校は光明、大阪、愛知、神戸友生、京都呉竹、尼崎、静岡の7校)

 

相談役 ご挨拶

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会

相談役 島 添 聡

(全国特別支援学校肢体不自由教育校長会会長、東京都立光明学園統括校長)

 

 全国の皆様、こんにちは。令和6年度全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会の相談役を務めさせていただくことになりました、島添 聡(しまぞえ さとし)です。昨年度は、監事として全肢P連には関わらせていただきました。今年度からは、有吉会長をはじめ各ブロック長(全肢P連副会長)の皆様への御助言申し上げるとともに、肢体不自由特別支援学校の今後のあり様について議論を進めていきたいと思います。

 

 全国特別支援学校肢体不自由教育校長会(全肢長)においても、6月に総会・研究協議会を開催しました。11月には第70回全国特別支援学校肢体不自由教育研究協議会(全肢研)熊本大会を開催します。昨年度までは、オンラインのみやハイブリッドの協議会が多くありましたが、この熊本大会では参集型となります。昨年度から日本肢体不自由児協会(日肢協)様と共催となったミラコン2024~未来を見通すコンテスト~では、7月から各ブロックの応募が始まりました。このミラコンは、全国の肢体不自由特別支援学校に在籍する生徒が、自己の経験から得た視点から、自分の描く未来にとって必要な社会や地域への提案を行うものです。今回で第7回となる大会では、どんな視点でどんなプレゼンテーション(提案)が集まるのか非常に楽しみです。

 

 さて、国の動きですが、令和5年6月に新たな教育振興基本計画が閣議決定されました。これは、将来の予測が困難な時代において日本の教育政策の進むべき方向性を示す「羅針盤」となるべき総合計画(令和5年度~9年度)です。この中の5つの基本的な方針に、「誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進」が項目の一つとして示されています。これまで特別支援教育が培ってきた実践の積み重ねと社会全体の動きの中で、初等中等教育で欠かせないものとなったということでしょう。

 また、日本版DBS法(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)が令和6年6月に成立しました。これまでも学校では、児童生徒一人ひとりの人権を尊重して教育活動を進めてきましたが、今後は教育等子供の指導や支援に従事する大人の資質に関することについても法令に従い適切に取り扱っていくこととなります。今後、国から具体的な対応が示されましたら、全肢P連をはじめ各学校のPTAの皆様と連携して取り組んでいくことになると思います。

 

 終わりに、全肢P連は、保護者、教員、関係機関等の皆様との連携を深めることで、肢体不自由特別支援学校の教育の充実と肢体不自由のある子供たちが地域社会で活躍できるような環境作りにも寄与することができます。子供たちの持つ潜在能力は無限大です。子供たちの明るい未来のために、一丸となって取り組んで参りましょう。

 

 

新ブロック長(全肢P連副会長)のご紹介

■ 北海道・東北ブロック長 

柴 崎 恒 博 (福島県立郡山支援学校PTA会長)

 

 PTA会長も2年目となり、「保護者の対話」「情報の発信」「先生方への支援」の3つを債務にPTA活動に取り組んでいます。特に「教職員の働き方改革」において、PTAとして力を入れて取り組んでいきたいと考えております。

 郡山支援学校の校舎は「光の学校」と名付けられ、隅々まで明るい光が届く校舎で小学部、中学部、高等部の156名の児童生徒が学習しています。

 子供たちが、自分の中で「輝く光」を社会で発揮できるよう、保護者の皆さん、先生方、そして全国の皆さんと繋がってよりよいPTA活動に努めてまいりたいと思います。

 

■ 関東・甲越ブロック長

永 吉 理 香(横浜市立北綱島特別支援学校PTA代表)

 

  令和6年度、関東・甲越ブロック長を務めさせていただきます、神奈川県横浜市立北綱島特別支援学校PTA代表の永吉理香と申します。
 本校は今年度より代表制を取り入れ、会長1名、副会長2~3名としていた役職を代表3~4名としました。私もその代表のうちの1人です。運営にあたっては課題もあり、試行錯誤しながらの日々ですが、会長1人に集中していた役割を複数で分担し、今のところは良かったと感じています。
 また、7月9日にオンラインにて今年度の関東甲越地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会及び校長会合同研究協議「神奈川大会」を開催いたしました。一都七県の皆様が各学校やご自宅よりご参加いただき、各分科会で実践研究発表や情報共有を活発に行うことができました。ご参加いただいた皆様、運営にご協力いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。引き続き、12月20日まで記念講演や発表動画の視聴が可能ですので、多くの方にご覧いただけますと幸いです。
 一年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 中部ブロック長

杉 下 裕 子(愛知県豊田市立豊田特別支援学校PTA会長)

 

 令和6年度、中部ブロック長を務めさせていただきます、愛知県豊田市立豊田特別支援学校PTA会長の杉下裕子と申します。


今年度の取組として、
① PTA役員全員のグループメールの立ち上げ
② PTA役員の職務の見直し
② PTAの委員会組織の見直し
などに取り組んでおります。


 最近の地震等災害の報道で、防災についての関心が高まってきました。そこで、今年度の本校PTAの重点取組を学校での防災としました。PTA講演会では「学校の被災を具体的に考える」を演目とした講演会を行います。熊本大学の竹内教授を講師にお迎えして、教職員と合同でオンラインにて開催する予定です。
 また、数年ぶりに児童生徒引き渡し訓練を実施する予定です。今回は激甚災害を想定し、より実際に近い形で実施したいと考えています。
 微力ではありますが、頑張りたいと思います。一年間よろしくお願いいたします。

 

■ 近畿ブロック長

大 森 聡 子 (滋賀県立三雲養護学校PTA代表)

 

 近畿地区ブロック長を務めます、滋賀県立三雲養護学校PTA代表の大森聡子と申します。昨今PTAは保護者の皆様から敬遠されていますが、特別支援学校こそPTA活動が重要だと思います。PTAや肢P連という組織なら、支援が必要な子供・保護者の少数派の声を社会に届けられる気がします。近畿地区では「PTA活動の工夫・取組について」実践報告や意見交換を行い、各校で活動方法を模索しているところです。

 私自身、地区総会は子の体調不良のため自宅からのZoom参加となり、オンライン会議のありがたみを改めて感じました。一方、現地に参集し、皆様と出会い、直接お話をすることで大きな刺激をもらい元気になれることも実感しています。「複数の医療的ケア」「卒業後の就労」など、状況は様々でも、ツールを駆使してつながり助け合えるといいなと思っています。

 子供たちが未来にたくさんの希望をもてるよう活動していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 中国・四国ブロック長

宮 岡 宏 太 (愛媛県立しげのぶ特別支援学校PTA会長)

 

 

 令和6年度、中国・四国地区のブロック長を務めさせていただきます、愛媛県立しげのぶ特別支援学校PTA会長の宮岡宏太と申します。

 今年度は本校が事務局校として、6月6日~7日の2日間、中国・四国地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会をオンラインにて開催いたしました。御参加いただきました各校、皆様の御協力のもと、大変実りある大会となりました。心より感謝申し上げます。

 

 早いもので、息子も小学部の最高学年を迎えることができました。これまでの11年間の中で、生まれてからの1年は、信じられないくらい、つらい毎日でした。しかし、息子の頑張りはもちろん、息子が繋いでくれた人たちとの出会いのおかげで今があります。これからも息子とともに、出会いを大切にしながら、笑顔溢れる日々を歩んでいきたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

 

■ 九州ブロック長 

米 ヶ 田 研 介 (熊本県立熊本かがやきの森支援学校PTA会長)

 

 令和6年度、九州地区のブロック長を務めさせていただきます、熊本県立熊本かがやきの森支援学校PTA会長の米ヶ田研介と申します。

 全国一のスイカの産地、植木町出身です。

 ただいま還暦真最中ですが、本校執行部ではピカピカの一年生です。即会長職就任となり、重ねて本年度は、九州地区の会長、更には全国の副会長の肩書きまで拝命し、随分と戸惑いもありますが、皆さまのご協力をいただきながら一年間務めてまいります。

 さて、本校は、今年度、開校10周年の節目の年を迎えることができました。5月18日には、沢山のご来賓にお越しいただき、記念行事も盛況のうちに終えることができました。今後も先生方と一緒に子供たちが安心して学び成長できる環境づくりを通して本校の歴史を刻んでいければと思っております。

 また、今年度は、石川県金沢市で、全肢P連大会が挙行されます。1月1日発生の能登地震では、沢山の方が被災され、心よりお見舞い申し上げます。熊本地震の経験者としては他人ごとではなく、一日も早い復興を心から祈っております

 それでは、8月に全国の保護者様とお会いできることを楽しみにしております。

 一年間よろしくお願いいたします。

 

令和6年度役員名簿

【3】令和6年度理事評議員名簿

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令和6年度役員名簿PDF