会報 第134号

会長 ご挨拶

 

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会

会 長   空 岡  和 代 

( 東京都立村山特別支援学校PTA会長 )

 

 昨年度に引き続き、全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会会長を務めさせていただきます。東京都立村山特別支援学校PTA会長の空岡と申します。先日の理事会において、理事、評議員の皆様にはご承認をいただき、ありがとうございました。

 今回の会報では、全肢P連の会長としての活動の一つをぜひ皆様にご紹介したいと思います。
 全肢P連が加盟している全国特別支援教育推進連盟は、全国特別支援学校長会はじめ先生方の団体、各種別のPTA 連合会、様々な親の会等で構成されています。推進連盟の理事会では、特別支援教育に関係する施策を進めていただく文部科学省等のご担当の方々が来賓としてご出席されて、最新の情報をお話しいただいています。また各加盟団体の代表の方々から、近況報告の時間があります。様々に開催される大会の情報を共有していただいたり、各団体の課題を私たちにも身近なこととして考えるきっかけをいただいたりします。

 コロナ禍になり加盟団体の皆様とはWeb会議システムを利用してのやり取りとなっていたのですが、先日初めて、多くの団体の代表の方とお会いすることができました。3年ぶりに、推進連盟を通して提出する文部科学省への予算要望について、懇談の機会をいただきました。参加団体の皆様のお話をお聞きし、障害の種類が違うことで必要なことや悩みが違うことを実感し、内容によっては共感することもありました。直接お会いできたので、お顔を見合わせたり、感想を言いあったりできました。文部科学省で特別支援教育の担当として直接携わっていただいている皆様には、全肢P連からの重点要望についてお話しできる時間がありました。久しぶりに対面での懇談が実現したことを、大変嬉しく感じる1日でした。
 全肢P連がコロナ禍でも続けていること、続けられていることがあるのは、広く共感、理解して支えていただける皆様の存在があるからです。いつも応援していただき、背中を押していただく存在でもあります。
 会長として2年目を迎えるにあたり、会員の皆様との繋がりをより大切にしていくのはもちろんのこと、本連合会の活動に共感、協働、応援していただく皆様との繋がりも意識してさらに大切にしていきたいと考えます。
 1年間、よろしくお願いいたします。

 

相談役 ご挨拶

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会
相談役 伴  光 明
(全国特別支援学校肢体不自由教育校長会会長・東京都立多摩桜の丘学園統括校長)

 


 全国の肢体不自由特別支援学校PTA会員の皆様、こんにちは。私は、令和4年度相談役の任をいただきました、伴 光明(ばん みつあき)と申します。空岡会長様をはじめ、全国各地区のブロック長である副会長の皆様、理事・評議員の皆様をお助け申し上げ、全国の肢体不自由特別支援学校PTAが相互に協調し、特別支援教育・肢体不自由教育が向上、発展していくよう、尽力してまいります。


 私が会長を務めます全国特別支援学校肢体不自由教育校長会(全肢長)では、去る6月に令和4年度の総会を開催しました。主な事業計画では、第68回全国特別支援学校肢体不自由教育研究協議会(全肢研)「兵庫大会」(11月17日)のハイブリッド開催に向けた準備状況が報告されました。各地区ブロックでの研究協議会もオンラインが中心ではありますが、活発に計画されています。

 児童・生徒の活躍が期待される事業としては、第46回はばたき賞の贈呈や第5回プレゼンカップ<ミラコン2022>の開催を計画していることが報告されました。プレゼンカップの開催に際しては、当連合会にも御後援をお願いしているところです。全国各地で生徒たちが切磋琢磨し挑戦する全国大会をぜひ御支援いただき、PTAの皆様のお力で舞台をいっそう盛り上げていただきますようお願いいたします。


 現在、校長として教育のデジタル化の推進や、新学習指導要領の確実な実施、SDGs、誰一人取り残されない教育の実現、などの諸課題に取り組んでいるところで、それぞれに保護者の皆様の関心が寄せられていることは日々実感しています。しかし、それらを凌ぐ関心は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために縮小してきた学校教育活動の再開にあると受け止めています。その関心の方向も実はお一人お一人様々で、早く全面的に行事などを実施してほしい、という願いもあれば、感染の可能性を懸念して、なるべく接触の機会を減らしてほしい、という願いもあります。無理からぬことだと思っています。

 各学校では、それぞれの地域の状況、児童・生徒の状況に応じて、最も適切だと考える内容で、今年度の教育活動を計画、実施しています。いずれの校長も、状況を保護者の皆様に丁寧にお伝えするように努めているところですので、御理解・御協力をいただきますようお願いします。

 多摩桜の丘学園では今年の学校経営のキーワードを「リブート(=再起動)」である、としました。宿泊行事のリブート、文化祭のリブート、様々な教育活動を復活させるのではなく、新たな状況に対応した形で慎重に立ち上げていく、という意図があります。これまでにいくつかの行事をリブートし、校外学習から帰ってきた児童・生徒たちの「ただいま!楽しかった!」という笑顔を見ることができました。一方で「校長先生、自分の引率の勘が鈍っていると自覚しました」という教員もいます。引率には計画力や統率力、判断力が必要で、宿泊行事となると何より体力が必要です。こうした力があって、安全な行事が実施できるのです。具体的なミスはなくとも、少しずつ違和感を感じる、そのことを「勘が鈍った」と表現したのかもしれません。闇雲に再開するのではなく、慎重に立ち上げていくことが大切だと痛感しました。

 直近では「プールのリブート」を行いました。これも、指導方法や技術の継承が重要な活動であり、機械操作の習熟等も考えると中断期間が長くなることはデメリットが多いと判断し、短時間での実施、空間を確保しつつ中学部、高等部を中心にプールを使ってみたものです。

 多摩桜の丘学園の例を挙げてお伝えしましたが、すべての学校が自校がある地域の実情に沿って、実践と計画を重ねているところです。繰り返しになりますが、どうか各学校でのウィズコロナ、アフターコロナの対応についての説明に御理解と御協力をお願いします。


 さて、結びに私の来歴を少々述べてまいります。私は昭和の終わり頃に都立学校の教員として採用になり、初任地は町田養護学校(当時)で、肢体不自由高等部の担任になりました。中学校か高等学校の教員になるつもりで選考を受けていたので、採用の連絡があったときには驚いたのですが、生来楽天的なものですからそのまま喜んで通い始めました。

 この数年前に、町田養護から分離独立する形で多摩養護学校が設置されています。今の多摩桜の丘学園です。令和3年にこちらに着任した際には、教員になった頃からの不思議な縁が続いているように感じられたものです。

 その初任の頃の働きっぷりはというと、難しいことは先輩教員にお任せで、歌うことや物つくりなど、生徒たちと一緒になって楽しんでいる毎日でした。担任していたクラスの保護者様がPTA会長をしておられ、よく学校にいらしていて、顔を合わせると「どう、慣れた?」とか「楽しく一緒に過ごすことが一番!」などど励ましの声をかけていただきました。さぞかし頼りなく見えていたのでしょう。やがて私にもPTAは地域で生きがいをもって働く、暮らす場を作るための切実な活動につながっていることが分かってきました。PTAのスローガンが「みんな我が子」であることも教えていただきました。それで得心がいきました。会長さんは、新米の私を教員というよりは「我が子」の一人としてこのコミュニティに迎え入れてくれ、育ててくれていたのですね。

 お恥ずかしい思い出ですが、私の職業人生の初めの頃のエピソードとして忘れられないものです。当時受けた恩に報いるためにも、今の職でできることを通してPTA活動に尽くしていきたいと考えています。教えることは学ぶこと、教える人と学ぶ人がお互いに高めあう関係であること。これは新しい学習指導要領が目指す「対話的で深い学び」にも通じることだと思っています。PTAを通して、子供たちのよりよい現在と将来の生活を築き、そして私たち自身も互いに高め合う存在となるように活動してまいりましょう。どうぞよろしくお願いいたします。

 

新ブロック長(全肢P連副会長)のご紹介

■ 北海道・東北ブロック長 

佐藤 美南子(宮城県立船岡支援学校PTA会長)

 

 令和4年度北海道・東北ブロック長となりました宮城県立船岡支援学校PTA会長の佐藤美南子と申します。
 船岡支援学校は、肢体不自由支援学校として設立され、小、中、高を合わせ、現在67名の生徒が在籍し、その半数が学校の寄宿舎で過ごし、生活の面でも学んでおります。比較的少ない人数の学校であるため、生徒同士も仲良く、励ましあって頑張っているようです。そんな中、我が子といえば、重度重複の肢体不自由児、知的障害も重く、思いが伝わらないことも多いようで、家では気持ちを乱すことも多く、親子で試行錯誤の日々を送っております。なかなか気持ちにも余裕のない生活を送っておりますが、この度、PTAの役員をさせていただくことで、PTAのつながりを知り、各地域の皆様のPTAの取り組みを知ることや、研修会などに参加させていただくことで、あらたな発見につながるといいなあと思っております。もちろん、学校の子供たちにおいても、より充実した学校生活をおくられるよう、皆様からいただいたヒントを船岡支援学校ではどうか?PTA役員の保護者の皆様と共に考えていきたいと思っております。一年間、精いっぱい頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 関東・甲越ブロック長

江口 可奈子(千葉県立船橋夏見特別支援学校PTA会長)

 

 

 令和4年度、関東・甲越ブロック長を務めさせていただきます、千葉県立船橋夏見特別支援学校PTA会長の江口可奈子と申します。このような大役は初めてのことでわからないことも多くありますが、過去の資料等を拝見させていただき、全肢P連の大切な言葉「過去には感謝、現在には信頼、未来には希望」を知りました。新型コロナウイルス感染症の影響で、まだ全国の皆様と直接お会いすることは難しいですが、オンライン上で遠く離れていても繋がることができることは素晴らしいことだと思います。今子育てをされている全国の保護者の皆様と、この生活を支えてくださっている先生方と情報共有できることは信頼があるからこそできることです。
 時代が変わっても過去の方々に感謝することを忘れずに、これからの子供たちの幸せのために微力ではありますが、精一杯頑張ります。一年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 中部ブロック長

何輪 佳子(岐阜県立関特別支援学校PTA会長)

 

 この度、令和4年度中部ブロック長を務めさせていただきます、岐阜県立関特別支援学校PTA会長の何輪佳子と申します。
 コロナ禍の影響で、いろいろな活動が中止されてきましたが、当校では先日、感染症対策を十分に行うなかで、学部ごとに会場を分けての『スポーツフェスタ』が、保護者と一緒に楽しむことのできる活動として行われました。久しぶりの親子での行事で、子供たちも保護者も笑顔がたくさん見られ、大変盛り上がりました。大きな問題もなく、無事にフェスタを行うことができました。
 この経験を活かし、本年度はPTA活動を少しずつではありますが、再開していきたいと思っています。また、機会が得られるならば、全国の皆様と情報交換を行い、PTA活動のあり方を考えていけたら良いと思っております。
 初めてのことで至らないところもあるかと思いますが、一年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 近畿ブロック長

南 見奈子(京都市立北総合支援学校PTA会長)

 

 

 令和4年度近畿地区ブロック長を務めます、京都市立北総合支援学校PTA会長の南見奈子と申します。
 本会では、新型コロナウイルス感染症の流行以来、3年ぶりとなる集合形式による総会を5月に行いました。その際、今年度の活動に関して3つの提案をさせていただきました。

 

①コロナ禍における各単位PTAの活動の工夫についての情報交換をし、各校のPTA活動に活かす。

②時代に合ったPTA運営をする。

③本会の研修の成果をPTA会員一人一人に還元できる方法を共に考える。

 

 このうち①と②の実現に向けて、従来通りの集会形式に加えてオンラインを併用した研修会を実施しました。また、③につきまして、一人でも多くの会員の皆様にご参加いただけるよう、さらにICT環境を整えていきたいと考えています。
 今後、全国の皆様との交流を通して皆様の活動やご意見を参考にさせていただき、学んだことを、子供たち、会員の皆様の生活の質の向上につなげていけるように、取り組んでいきたいと思います。

 

■ 中国・四国ブロック長

弘中 恵美(山口県立周南総合支援学校PTA会長)

 

 令和4年度、中国・四国地区のブロック長を務めさせていただきます、山口県立周南総合支援学校PTA会長の弘中恵美と申します。
 6月9日~10日に令和4年度第55回中国・四国地区肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会「山口大会」を前年に引き続きオンラインにて開催しました。多くの学校の皆さまにご参加いただき、心より感謝申し上げます。
 私は6人の子どもをもつ母です。本校PTA会長は3年目ですが、コロナ禍で足元を見つめ直す機会をいただき、3年目にしてようやく本校の課題が見えてきました。
 まだまだ大変な世の中ですが、大変な時は大きく変化するときです。私たちは同志です。共に頑張っていきましょう。1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

■ 九州ブロック長 

中島 なぎさ(大分県立別府支援学校鶴見校PTA会長)

 

 

 令和4年度、九州地区のブロック長を務めさせていただきます、大分県立別府支援学校鶴見校PTA会長の中島なぎさと申します。
 昨年度第64回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会PTA・校長会合同研究大会が大分で開催されました。前回当校で第15回大会が開催されてから約半世紀が経過しました。その間インターネット・SNSの普及等を背景にコロナ禍の大分大会は初のオンデマンド開催となりました。自宅から大会に参加できるようになりPTA会員とのつながりが更に広がったように思います。特別支援教育に携わる関係者の熱心なPTA活動が現在に受け継がれていることを真摯に受け止め、保護者と児童にとって明るい未来へ向かうように微力ながら尽力したいと思います。
 今年10月に九州地区肢体不自由教育研究大会が本校で開催されます。皆様とお会いできることを楽しみにしています。一年間どうぞよろしくお願いいたします。

令和4年度役員名簿

【3】令和4年度理事評議員名簿

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令和4年度役員名簿PDF