ミラコン ~未来を見通すコンテスト~
全国の特別支援学校を遠隔システムでつなぎ、生徒が発表する「ミラコン2019~未来を見通すコンテスト~第2回プレゼンカップ全国大会」のファイナルステージが令和元年12月18日水曜日 東京都立志村学園第二体育館を会場に開かれた。
今回の大会から本連合会も協賛させていただいておりますので、ミラコン~未来を見通すコンテスト~の様子をご紹介させていただきます。
オープニング
オープニングでは志村学園ミュージカル部によるパフォーマンスがお行われ、去年よりぐっと華やかな演出に会場が温まりました。
全国特別支援学校肢体不自由教育校長会会長 田村康二朗先生による開会宣言で大会が始まりました。
発表
①北海道・東北ブロック代表
北海道岩見沢高等養護学校2年 桑原 蒼さん
「表現写真部スタイル~出来ることを持ち寄って~」
『私は、電動車いすを使用して部活動で写真を撮っています。表現写真部は、写真甲子園に幾度と北海道代表で出場を果たしている部活動です。予選では、部員が各自のできる役割をもって制作に向かい、自他の良さを活かして一枚の写真を作り上げていく。互いの役割を認識し、認め合い、自他の良さを共存させていく大切さを、写真の活動を通して学びました。その経験を。たくさんの方々に聞いてもらいたいです。』
②関東・甲越ブロック代表
群馬県立あさひ特別支援学校2年 米山 翼さん
「電動車いすの技術革新を目的とした競技大会の普及」
『私は昨年度観光地のバリアフリー化と高性能な移動補助具の普及を提案しました。高性能な移動補助具については年々利用しやすくはなってはいるものの、生活の中に十分浸透しているとは、まだ言い切れない状況にあると思います。電動車椅子使用者の生活をさらに豊かにするために、誰もが当たり前のことを当たり前に行うことのできる社会を実現するために、電動車椅子技術革新を目的とする競技大会の普及について提案します。』
③東京ブロック代表
東京都立府中けやきの森学園2年 宮原 陸人さん
「私は会社で働きたい!」
『障害があることで働く自由が制限されてしまう社会を変えたいと思いこの作品を作りました。現場実習を直前にした現在、障害のある私が働く上で障壁になる点が具体的に見えてきました。その障壁を取り払うために、社会をどのように変えたいのか、自分は何ができるのかを考察しました。将来社会に出て働きたいという私の思いを伝えられるよう一生懸命作成しました。』
④中部ブロック代表
豊田市立豊田特別支援学校3年 池山 瑠南さん
「一人で出かけたいけど」
『私は、心臓の病気により、小さいときから運動制限のある生活を送ってきました。どこに行くのも、車で親と一緒があたりまえと思ってきました。高校生になり、車椅子でも一人で通学したり、出かけたりする先輩や同級生を見て、私も一人で出かけたいと思うようになりました。それにはどうしたらよいかを考えました。』
⑤近畿ブロック代表
大阪府立岸和田支援学校3年 中原 瞳さん
「障害のある人でも着やすい服を~未来への提言~」
『私はオシャレをするのが好きでよく服を買ってもらったりします。でも、服を選ぶ時いつも「もっと障がいのある人でも着やすい服が増えたらいいな」と思っていました。だから未来への提言のテーマを「障がいのある人でも着やすい服を」にしました。これを見てもらう事でそういう服を考えてくれる人が少しでも増えればいいなと思います。』
⑥中国・四国ブロック代表
広島県立広島特別支援学校2年 秀川 璃玖さん
「私の未来マップ」
『私の熱意が伝わるようにスライドの内容を分かりやすく工夫しました。私の思いが皆さんに伝わってくれると嬉しいです。』
⑦九州・沖縄ブロック代表
福岡県立直方特別支援学校2年 中島 寧音さん
「現在と未来の私」
『これまで、自分の家族や学校の友達、ヘルパーさんという狭い世界でしか生活していませんでした。それが、先生が「連れてきた」OriHime(おりひめ)によって、これまで想像もしていなかった人とのつながりができ、将来にも希望が見えてきました。まだ利用し始めたばかりですが、私のように指先しか動かなくても、たくさんの可能性を感じさせてくれる分身ロボットを、ぜひ多くの人に知ってもらいたいという思いで、参加しました。』
講評・特別講演・閉会式
文部科学省 特別支援教育調査官菅野和彦 先生よりご講評をいただきました
その後、NPO法人D-SHIPS32(ディーシップスミニ) 船団長 で バンク―バーパラリンピック、アイススレッジの銀メダリストでいらっしゃいます上原大祐様による特別講演をいただきました。
講演のタイトルは「強みと弱みを上手に使い、可能性を最大限に」 でした。
タイトルのとおりの熱く強いメッセージに、会場中が興奮に包まれました。
そして最優秀賞に輝いたのは
中国・四国ブロック代表 秀川璃玖さんでした。
ミラコンに参加して「人生の主人公は子供本人なのだ」と思いました。親は支援者の一人なのだと。 親は子を思うあまり、子供の足かせになっていないか、自分が主人公になっていないか、自分の子育てを振り返り思いました。保護者にとっては、子どもの成長を自覚する、子離れの必要性を意識する、ハッとするイベントでした。益々の発展を願います。