会報 第123号

会報 第123号

 

会長 ご挨拶

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会

     会 長     澤 村  愛

      (東京都立光明学園PTA会長)

 

 第61回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合の福井大会の総会でご承認いただき、今年度会長を務めさせていただきます澤村愛と申します。竹内ふき子会長よりこの任を引き継ぎ、その責任の重さを痛感しております。全国津々浦々で子育てに奮闘されている保護者会員の皆様の思いを胸に、全力で務めてまいりたいと思っております。

私事で恐縮ですが、この3月に3人の子供の義務教育が終わりました。転居を繰り返しながら、様々な地域で、先輩方に助けて頂きながらの子育てでした。シンガポールの現地の特別支援学校では、付き添い通学をしていました。担任が中国人、副担任がマレーシア人、PT(理学療法士)がミャンマー人、OT(作業療法士)がインド人でした。通う子供たちも同様。いろいろな価値観や宗教に囲まれ、英語が苦手な私にとっては、たくさんの不自由に直面し自分自身が障害者のように感じられる毎日でした。ある日インド人クラスメイトの母親から「うちの子は自分のことを他人に伝えられない。そこが心配なの」という言葉を聞き、人種や地域、宗教が違っても、親の子への思いは同じなのだ、障害を持つ子どもの親同士は共に理解しあえるのだと気が付きました。気持ちが繋がることで悩みが小さくなり、希望が膨らむことを学びました。

今、国内でも大きく共生社会づくりに向けて動いています。多様な価値観を持つ人々が共に仲良く支えあい、豊かに安心して暮らせる社会が実現できるよう、努力が進められています。インクルーシブ教育は、単に共に学べばよいというものでなく、その子を可能な最大限度まで発達させることができる教育の場かどうか、しっかりと検討していくことが重要であるとされています。文部科学省では、「学校における医療的ケアの実施についての検討会議」が設けられ、肢体不自由特別支援学校だけでなく、あらゆる学校での医療的ケアをどのように実施していくのかの検討が進められています。

しかしながら共生社会の進展は、社会の合意形成をしながらなので、とても時間がかかります。自分の子供には間に合わないかもしれない。それでも私達が諦めずに繋がりをもちながら共に活動し続けることは、必ず将来の親達の支えとなるはずです。この会をとおして、悩みや願い、喜びを共有し、子供達をとりまく環境をより良いものにしてまいりましょう。

 1年間どうぞよろしくお願いいたします。

 

相談役 ご挨拶

~全肢P連と全肢長会の固い絆~

全国肢体不自由特別支援学校 PTA 連合会

    相 談 役  田 村 康 二 朗 (全国特別支援学校肢体不自由教育校長会々長・東京都立光明学園校長)

 

今年度も全国特別支援学校肢体不自由教育校長会々長として引き続き本会(全肢P連)の相談役を務めます東京都立光明学園校長の田村康二朗です。どうぞよろしくお願いします。

全肢P連と全肢長会の絆 全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会(略称:全肢P連)様と私共の会(略称:全肢長会)は、共に昭和 33 年(1958年)に「全国肢体不自由児養護学校PTA連合会」と「全国養護学校長会肢体不自由児教育部会(翌年に全国肢体不自由養護学校長会に改組)として生まれました。発足当初から固い絆で結ばれた友好協力団体同士です。この時から児童生徒を中心においてPTA(保護者会員と教職員会員)と校長に代表される学校組織が囲み支えるリングとなって二人三脚で歩んできたのです。他種別におけるP連と校長会との連携の形とは若干異なり、今も夏の大会を「全肢P連合会総会およびPTA・校長会合同研究大会」と会の名称に両者が名を連ねていることは、その連携が実を結び支え合ってきたことへの互いへの敬意と誇りでもあります。(本節は両会が共同して編纂した平成17 年発行の「全肢P連五十年史」を参考しました。)

双方の会長に託されたバトン 肢体不自由教育充実の歴史は、全肢P連に参画した保護者と教職員が力を合わせて得てきた成果の証そのものです。このバトンを次の走者に渡すまでの間、全肢P連会員の皆様と全肢長会に名を連ねる全国の校長がしっかりと手を携えて進んでいきましょう。

歴史を振り返り今に繋ぐ  学校教育における「PTA」の歴史を、以下に関係団体等の種々の資料 を参考にして要約してみました。

〈PTA活動の始まり〉 PTA事始めは何と今から約百二十年前の1897(明治30)年のアメリカ合衆国です。創始者であるバーニーさんは、生まれて間もない我が子の無垢な寝顔を見つめながら、生命の尊さとともに親の心に湧き出す厳かな責任感を自覚し強い感動を覚えました。そして尊い生命を守り、このあどけない幼子を健やかに育て、望ましい環境に迎え入れるために「母の会」を作る決心しました。

〈全国母親議会〉 1897年、友人のハーストさんの協力を得てワシントンで「全国母親議会」を発足させました。バーニーさんは、機関紙の中で「全国母親議会は信条・人種・身分の差別なく、全ての親と子と家庭の為にあります…」と述べています。

〈全国保護者教師議会から全国PTA連合会へ〉 活動を続ける中で、父親と教師にも運動への参加を広く呼びかけ、父親や教師も加えた「全国保護者教師議会」、更に「全国PTA連合会」へと発展していきました。これがPTAの原型です。

〈教育環境の充実を目指して…広がるPTA活動〉 こうした活動を通じて「幼稚園設立」「児童労働法制定」「保健サービス実施」「給食実施」「予防接種義務化」が制度化するなどの成果を上げていったそうです。やがて合衆国から他国へも「教員と父母の輪」が広がっていきました。創始者である母親達の思いが連綿と引き継がれ、様々な経過を経て今に至っている訳です。アメリカ合衆国では今もPTA等の保護者が関わる諸活動が活発です。

〈日本に根付いたPTA活動〉 日本では戦前には保護者会・後援会型の学校支援組織がありましたが、戦後に改めてアメリカ合衆国型のPTA活動がもたらされ、教育の復興期に国内に広がっていきました。そして特別支援学校におい ては、その障害特性や専門教育の必要性を共有しつつ、会員同士が支え合い、教育環境の充実を目指す場として、多くの 方々の共感を得ながら、今日に繋がってきています。

次の一歩へ こうして振り返ってみますと、お国柄や障害の有無を越えて、親と教師の共通の願いは「良い育成環境の中、健やかに成長してほしい」との率直な願いです。日本では2020を前に、障害のある子供達を囲む教育環境そして社会環境が大きく充実していく絶好機を迎えています。今こそ、PTAの皆さんと学校がしっかりと手を取り合い、日本の未来を託す子供達をしっかりと育んでいきましょう。

 

退任のご挨拶

全国肢体不自由特別支援学校 PTA 連合会

 前 会 長   竹 内 ふ き 子

(東京都立城北特別支援学校 前PTA会長)

 一言ご挨拶申し上げます。

 三年間務めさせていただきました、実感としましては、目の前にあることをこなしているというだけの慌ただしい日々でした。お役に立っていたのか、反省することが沢山あります。

お世話になりました皆様ありがとうございました。

 私の願いは、肢体不自由の子どもを持つ私たち保護者の皆さんが、孤立しないこと。繋がりを感じ、つながりたいと思う連合会であることです。全国は本当に広いです。生活環境も教育環境も本当に様々です。その中で仲間がいるからがんばれる!そう思える繋がりが必要なのです。

 一人で頑張るのはやめましょう。特に会長の皆さん。私が頑張らないと!そう思っていますよね。

 会長が頑張るのは、周囲の人たちをどんどん巻き込んでいくことです。一人ではなくみんなで、がんばる!PTAの運営は活動を知ってもらうことが一番です。どれだけ多くの人に関わってもらうか、会長さんは人集めにがんばってください。つながる!輪が大きくなりますように。

 最後になりましたが、私を巻き込んで下さいました皆様本当にありがとうございました。

どうぞこれからも本連合会の活動にご尽力いただきますよう、よろしくお願いします。

 

新ブロック長(全肢P連副会長)のご紹介

■ 北海道・東北ブロック長 横山 桂 (山形県立ゆきわり養護学校PTA会長)

 北海道・東北ブロック長となりました山形県立ゆきわり養護学校PTA会長の横山桂と申します。

 責任ある立場になったことに身の引き締まる思いですが、これまでお世話になった皆様や、ハンディを抱えた子ども達のために、何か役に立ちたいという思いで、微力ながら務めさせていただきます。この連合会を機会にたくさんの方と交流し、情報を得たり課題を見つけたりしたいと思います。そして、課題はできるだけ解決して子ども達に還元できるよう、活動に取り組んでまいりたいと思います。

 全国の会員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

■ 関東・甲越ブロック長 森田 和子 (新潟県立東新潟特別支援学校PTA会長)

 平成30年度関東・甲越ブロック長を務めさせていただきます、新潟県立東新潟特別支援学校PTA会長森田知子と申します。

 当校がある新潟市は、日本一長い川である信濃川があり、新潟市で日本海に流れています。また広大な越後平野では緑が広がっています。このような自然豊かな環境の中でこどもたちは、明るく楽しく元気に命を輝かせています。今年度は関肢P主管校という、より責任ある立場となり、緊張と不安でいっぱいです。前年度務められた髙橋会長さんのあとをきちんと引き継ぎ、皆様と協力し支えていただきながら、一生懸命務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

■ 中部ブロック長 安藤 裕司 (愛知県立小牧特別支援学校PTA会長)

 平成三十年度の中部ブロック長を務めさせていただきます、愛知県立小牧特別支援学校PTA会長の安藤裕司と申します。

 本校の会長は今年度で三年目となります。それまではPTA活動にはあまり縁がなかったのですが、会長になってからは保護者の方々の声をお伺いすることができるようになり、また他校のPTA会長さんや先生方と交流する機会も増えたことで、私自身いろいろと勉強させて頂くことの多い、有意義な日々を過ごしてきました。そして、本年度は全肢P連の活動にもかかわっていく機会を頂きました。責任はもちろん感じますが、それにもまして今度は全国の皆さんと交流し、情報交換などができることを楽しみにしています。至らぬ点も多いかとは思いますが、一年間よろしくお願いいたします。

■ 近畿ブロック長 植月 智子 (奈良県立奈良養護学校PTA会長)

 平成30年度近畿ブロック長を務めさせていただくことになりました、奈良県立奈良養護学校PTA会長の植月智子と申します。皆様、どうぞよろしくお願い致します。

 来年は奈良県にて全肢P連全国大会が開催されます。その重責にプレッシャーを感じると共に初めて経験させていただくことにやり甲斐も感じております。ハンディキャップを持った子供たちと、そのご家族が安心して暮らしていける社会の一助となる大会になりますよう、先生方、保護者の皆様と共に準備を進めてまいりたいと思っております。至らない点もあるかと思いますが、1年間精一杯務めさせていただきたいと思いますので、会員の皆様、どうぞよろしくお願い致します。

■ 中国・四国ブロック長 鈴木 紀子 (岡山県立岡山東支援学校PTA会長)

 今年度、中国・四国地区のブロック長を務めさせていただくことになりました岡山県立岡山東支援学校PTA会長の鈴木紀子と申します。

 本校は備前焼の赤い瓦の屋根が特徴の校舎で、肢体不自由部門50名、知的障害部門171名の併置校であり、大変賑やかで笑顔溢れる学校です。

中国・四国地区の皆さまをはじめ、全国の皆さまとも繋がり、これからのPTA活動を活気あるものとし、益々子どもたちの笑顔が輝くよう努力して参りたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

■ 九州ブロック長 山本 映美 (福岡県立福岡特別支援学校PTA会長)

 平成30年度九州ブロック長を務めさせていただきます、福岡県立福岡特別支援学校PTA会 長の山本映美です。

 本校のPTA会長の拝命と共に九州ブロック長を拝命し、戸惑いもありましたが、多くの皆様と出会える機会をいただいた事を大変嬉しく思います。

 日頃は仕事とPTA会長の両立、また時には福岡県障がい者スポーツ協会の一員として各種大会等のお手伝いを行っています。栄養ドリンクのお世話になる日もありますが、どうせやるならやりがいを持って、前向きに楽しみたいです。

多くの方と繋がり、各地区の取り組みや課題を共有し、私自身も学びながら貢献できるように頑張りたいと思いますので、1年間どうぞ宜しくお願い致します。

 

30年度理事・監事の皆様

■ 理事

北山 博通 東京都立城北特別支援学校長

谷 美緒 東京都立多摩桜の丘学園PTA会長

庄司 伸哉 東京都立鹿本学園校長

佐藤 敦 山形県立ゆきわり養護学校長

髙橋 淳 新潟県立東新潟特別支援学校長

清水 かおり 福井県立福井特別支援学校PTA会長

小八木 隆 福井県立福井特別支援学校長

鵜野 裕志 愛知県立小牧特別支援学校長

橋本 輝幸 大阪府立堺支援学校長

佐々木 章友 島根県立江津清和養護学校長

牛島 大典 福岡県立福岡特別支援学校長

■ 監事

空岡 和代 東京都立村山特別支援学校PTA会長

中島 雄佑 東京都立村山特別支援学校長

 

30年度評議員の皆様(PTA会長)

柳澤 直美 北海道手稲養護学校

田中 真理枝 新潟県立上越特別支援学校

伊藤 陽子 愛知県立港特別支援学校

大久保 靖代 大阪府立東大阪支援学校

德永 有芳 岡山県立岡山支援学校

溝口 記広 長崎県立佐世保特別支援学校

 

30年度評議員の皆様(校長先生)

松井 由紀夫 北海道手稲養護学校

久保田 幹雄 栃木県立のざわ特別支援学校

片桐 義章 長野県稲荷山養護学校

吉田 清徳 奈良県立奈良養護学校

河田 智三 岡山県立岡山支援学校

西岡 哲男 長崎県立佐世保特別支援学校

 

 ※ 写真は第1回理事会にご出席のみなさまでお撮りしています