育てびと VOL.4 「全ての方が公平に加入できる保険にしてほしい」に応えたい 株式会社 三愛 代表取締役 占部 雅志(うらべ まさし)さん

VOL.4

「全ての方が公平に加入できる保険にしてほしい」に応えたい

株式会社 三愛 代表取締役 占部 雅志(うらべ まさし)さん

全肢P連安心補償制度『こども総合保険』を取り扱っている保険代理店、株式会社 三愛 代表取締役 占部 雅志さんと総務の泉 誠子さんに、肢体不自由児の保険の成り立ちと立ち上げの思いについて話を伺いました。(取材日:2016年8月23日)

どのような経緯で全肢P連安心補償制度『こども総合保険』」を作られたのですか。

1999年当時、福岡の今津養護学校のPTA会長だった、福地 周一氏と出会ったことが一番のきっかけです。福地氏も私と同じように保険会社にお勤めされていたのですが、「障害をもった子どもたちが保険に加入できるようにしたい」という思いを持って、当時の全肢P連の会長さんや全国特別支援教育推進連盟の先生から、保険の商品開発を依頼され作ることになりました。

どのようなことを意識して商品を作られたのですか?

一般的に、生命保険は、年齢や性別、既往症等で加入できる、できないといったように制限があります。加入できたとしても、保険料が高かったり安かったりと人によって差があります。その点について、全肢P連さんから「すべての方が公平に加入できる保険にしてほしい」というご要望があったので、それに応えられるようにと商品開発を行いました。また、障がいのある子どもたちは、保護者の方々が非常に気を配って接していらっしゃるので、怪我をされることが少ないんです。あるとするならば、誤嚥や誤飲、もしくは、合併症を患ってお亡くなりになる、というようなこと。そのような場合、「死亡保険金」という形ではお支払いできないので、「葬祭費」という形でお支払いできるようにしよう、と商品開発を進めました。商品開発にあたっては、当時の特別支援学校PTA連合会の会長さん、事務局長、事務局次長、PTA会員の皆様方にご意見をいただきました。

商品の内容を教えて下さい。

5年前に起きた東日本大震災を機に「地震によるケガ」を補償するプランを新たにプラスしました。それが「TSプラン」です。他に、「Sプラン」、「Aプラン」、「Bプラン」、「Cプラン」があります。現在、新しく加入される方の多くは、この「TSプラン」を選ばれています。全プラン共通の補償内容ですが、例えば、ご自宅で水を出しっぱなしにして、階下に漏水したりというような事故に対しては、「個人賠償責任補償」としてお支払いいたします。また、生計の柱となっている方がお亡くなりになった場合には、「育英費用」をお支払いいたします。あとは、「傷害(ケガ)補償」「細菌性食中毒補償」「病気死亡見舞金(葬祭費用)」があります。

現在、何名の方がこの保険に入られていますか?

全肢P連会員のお子さんの人数が1万6,000~7,000人ぐらいなんですが、そのうちの2,000名強の方にご加入いただいています。毎年4月に募集をさせていただいていますが、新たに300~400件ぐらい、新規のお申し込みをいただいています。同時期、高校を卒業して会員でなくなる方もいらっしゃいますので、年間を通してみると約200件ずつ増えているような状況です。なお、この保険は一般の方が加入することはできないのですが、会員の方であれば15%の団体割引でご加入いただくことができます。

一番件数が多いのはどの補償ですか?

子どもさんの怪我による通院費・入院費です。補償額は日額で、通院費が3,000円、入院費が4,800円です。

これまでに印象的だったことや業務で何か心がけていらっしゃることがありましたらお聞かせください。

年に1回、継続の有無の確認のため、保険会社から加入者の方に手紙を送るのですが、お子さんが亡くなられた保護者の方から、「保険に入っていることをすっかり忘れていましたが、手紙をいただいたおかげで気づくことができました」というお声をいただいたことが印象に残っています。また、事故があった際、まずはお電話でご連絡いただくことが多いのですが、できるだけ補償ができるようにしたい、保護者の方々のいろんな思いにちゃんと応えたいと考えながら受付をするようにいつも心がけています。

保険金請求例

ケガによる傷害(死亡・入院・通院)

・通学途中、日常生活における転倒、転落による負傷(骨折・捻挫・打撲)

・交通事故による(むちうち・打撲)

・物を壊した際の負傷

第三者への損害賠償

・自宅マンションにて階下の住宅に漏水

・第三者の物を破損(携帯電話・メガネ・呼吸器・家財)

疾病による葬祭費用

・肺炎などの合併症による死亡


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