Vol.4|江戸川区|柔軟な工夫と充実したハードで未来に虹をかける 東京都立鹿本学園

東京都立鹿本学園は、東京都江戸川区に立地する都内で最も大規模な肢体不自由教育部門と知的障害教育部門の併置型学園です。東京都特別支援教育推進計画を経て、平成26年に開校しました。

広大で近代的で機能的な学校

鹿本学園に訪れる人の誰もがその規模の大きさに驚くでしょう。敷地面積は25,204.23㎡。なんと東京ドームグラウンド2面分の広さだそうです。敷地内には、肢体不自由教育部門の校舎S棟、知的障害教育部門の校舎N棟の他、2つの体育館、2つのプール、2つのグラウンド、そして農園があります。

太陽がさんさんと降り注ぐ屋内プール

生徒の作品の飾られたピクチャープロムナード

バスターミナルは、バス22台分の広さ

ギャラリーから見渡せる開放的な多目的ホール

校内を案内して頂くと、新しさや大きさだけではない様々な工夫が学校全体にされていることに気づきます。学校中心部の廊下には、図書室とつながるように長い壁に、たくさんの本が並び、読んでみたい、手に取ってみたいと思わせる空間になっています。

オープンライブラリー

鹿本学園は肢体不自由教育部門と知的障害教育部門の併置校ですが、肢体不自由の児童・生徒と知的障害の児童・生徒の行き来が日常的に行われるよう、校舎の間に虹の橋という名前の渡り廊下があります。

虹の橋

また、”エコミュニティの森”と名前がついた中庭や、廊下から気軽に屋外の空気を吸ってゆったりできる緑と木の小スペースが点々と設けられています。
更に廊下には“センソリーエリア”というカーテンでさりげなく仕切ることができるスペースがあり、知的障害の児童・生徒たちが、心落ち着かせることのできる場となっています。

掲示物は、学校ならではの特色が出るものですが、思い思いの作品が、作品がより美しく、魅力的に観られるよう工夫して展示されています。思わず立ち止まって観たくなる作品に、たくさん出会うことができました。
鹿本学園には、教育目標が複数掲げられていますが、校舎の作られ方や細やかな工夫が、児童・生徒の力をより発揮させ、成長を支えているように感じます。

第2回 東京都立特別支援学校 アートプロジェクト展 入賞作品 かるた「・・・つつみたい」作者「金井 麗紋さん」

学校運営に関して詳しくお話を伺いました。
沢山の資料を準備して、ご説明くださったのは、鹿本学園 庄司 伸哉(しょうじ しんや)統括校長。初代 田村康ニ朗(たむら こうじろう)統括校長より引継ぎ、今春、就任されたそうです。

庄司先生の初任時の配属は、鹿本学園の前身、江戸川養護学校だったそうで、「30年ぶりに戻ってきたという想いがあるのですよ」と笑顔でお話しくださいました。土田 公夫(つちだ きみお)副校長には、丁寧に校内を案内していただきました。

庄司 伸哉 校長

土田 公夫 副校長

都内最大規模の併置型学園が開校するまで

平成29年現在の、鹿本学園の生徒数・学級数・教員数は以下の通りです。

近年、障害のある子どもの教育をめぐって、ノーマライゼーションの進展、医療・科学技術の進歩や障害の重度・重複化及び多様化の中で、本人や保護者の教育に対するニーズの高まりなど、様々変化がみられていました。
国は、平成13年「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」、平成14年「障害者基本計画」、平成15年「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告」を出しました。東京都教育委員会は、平成15年東京都心身障害教育改善検討委員会より、「これからの東京都の特別支援教育の在り方について(最終報告)」を報告し、その後、国の動向や本報告を踏まえて、東京都特別支援教育推進計画を策定したのです。

平成19年特別支援教育推進計画の第二次実施計画の中では、都立特別支援学校の適正な規模と配置が計画の中で明確になり、具体的には、「知的障害教育部門と肢体不自由教育部門を併置する特別支援学校の設置」が示されました。
鹿本学園は、23区内に2校計画された肢・知併置型特別支援学校の一つとして、旧江戸川特別支援学校・旧小岩特別支援学校を母体校として、江戸川地区で知的障害教育部門を小学部・中学部、肢体不自由教育部門を小学部・中学部・高等部として設置準備を始めると共に、近隣の学校との間で通学区域も見直しなども検討することになりました。

この計画の中には、他にも、「知的障害が軽い生徒を対象とした特別支援学校高等部の設置」や「視覚障害教育部門と知的障害教育部門を併置する特別支援学校の設置」など、特別支援教育の充実を・発展を目指して、前進しました。

鹿本学園が目指す学校像

特別支援学校の使命は「自立と社会参加」と言われています。
日々、学校に楽しく通えることは何よりですが、日々の授業や学校生活を通して、将来に向けて確実な生活力を身に付けていくことが大切だと考えています。
そういう中で、こんなスローガンを掲げて、児童・生徒、教員、保護者、一丸となってよりよい学校にしていこうとしています。

校訓「向学虹輝」
いくつもの色が重なって輝く虹となるように、児童・生徒一人一人が、その個性を発揮し、輝かしい未来を掴むために日々の学びと真剣に向き合う。その積み重ねを大切にする。

教育目標
児童・生徒一人一人の人権を尊重し、個々の障害の特性に応じた教育を推進すると共に、豊かな人間性や社会性を育み、自立し社会参加できる児童・生徒を育成する。

肢体不自由教育部門の教育目標
健康で豊かな心と身体作りを基盤として、専門機関等と連携し学力や意思疎通する力の向上を図り、社会に積極的に参加・貢献できるようにする。

 

社会参加に向けた確かな学力獲得のための挑戦!

鹿本学園では、年度ごとに、重点目標を掲げて、目標達成できるよう、検討し、具体的な試みを様々行っています。

全教育で取り組む新たな教育課程の開発と実施

毎年、知的障害教育部門と肢体不自由教育部門、教員が共通の研究テーマを掲げて、全校で取り組んでいます。平成29年度の研究テーマは「自分から動く授業、将来につなげる授業~アクティブ・ラーニング※ の視点からの授業改善~」です。各教育部門・学年の教員は、更に具体的な授業づくりのためにチームを編成し、授業の企画・指導方法を検討します。この試みは、教員にとっては、社会参加に向けた確かな学力獲得のために、どのような指導が効果的か、研究の場になっていると共に、保護者にも、予め授業参観ガイドを読んでから、実際の授業を参観することで、学校の取り組みへの理解が深まり、より教職員と保護者が一丸となって児童・生徒を育んでいけると考えています。

※アクティブラーニングとは
「課題の発見と解決に向けて主体的・能動的に学ぶ学習」とされています。
つまり、アクティブ・ラーニングの実現には、「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」に重点をおいた授業づくりが求められていることを意味しています。

学期ごとの授業参観では、全校で、「授業参観ガイド」を作成の上、保護者に授業を参観してもらう

リンク「授業参観ガイド(一部)」PDF

 

専門性のある人材を活用した教育の充実

学校外の専門性を活用して、教育の充実を図ることも積極的に行っています。

①企業連携によるもの
<Tully’s Coffee(タリーズコーヒー)・株式会社サカタテクノサービス>
Tully’s Coffeeは、中学部・高等部も接客などの作業学習の充実に、サカタテクノサービスは、中学部の農園作業のアドバイザーに協力を得ています。生徒たちはプロたちと関わることで、モチベーションを上げて作業に取り組んでいます。

サカタテクノサービスの支援による農園作業

Tully’s Coffeeの支援によるカフェ作業

②大学との連携
これまでの特別支援学校では大学進学を考える生徒は少なかったけれど、今後の社会では、進学する生徒も増えてくると考えています。鹿本学園では東洋大学に「大学訪問」として、大学がどんなところなのか知る機会を創っている他、障害のある大学生をお招きして、学校生活のことや就職のことなど、身近に聞ける機会も創っています。

大学訪問による交流

 

③宮城 武久先生(つばき教育研究所)
学習指導アドバイザーとして宮城先生に継続的に支援を頂き、多様な授業運営の上での課題解決などを行っています。
鹿本学園の授業参観ガイドを作成して行う授業参観は、先生のご指導によるものです。

宮城武久先生(中央)による授業力向上研修

 

④パソコン学習

この日はワードでチラシを作成中

取材の日、指導に当たられていた先生方

 

キャリア教育 弁論大会の実施

肢体不自由教育部門高等部C学習グループの授業の中で、キャリア教育の一環として一人ひとりの社会的・職業的自立を目指して生徒個々に対してキャリアガイダンスを行い、将来設計に関して考える機会を設けました。その考えたことを原稿にまとめ上げ、発表の練習や当日の振興の準備などを行い、夢の実現に向けてどのように工夫し達成するかを、学習発表会(虹輝祭:こうきさい)の当日に弁論大会として大勢のお客様の前で堂々と発表しました。

弁論大会やそのほかのキャリア教育の取り組みが評価され、鹿本学園が平成28年度キャリア教育優良学校文部科学大臣表彰を受賞しました。

活発な読書活動

当初、2階にあった図書室が1階に移され、本を「手に取りやすい」「本の内容が分かりやすい」オープンライブラリーになっています。

手に取りやすい配置

貸出カードに自分の名前を記入する必要がなく、生徒も簡単に本を借りたり返却できるように

 

図書室には、図書アテンダントという役割の保護者ボランティアがいます。
子どもたちは、図書アテンダントに児童生徒名簿のファイルを見せてもらい、自分の名前を探したら、借りたい本のバーコードをチェックして、本を借りて、作業完了です。
バーコードシステム導入のメリットはこの利便性のほかにもあります。例えば借りられた本が自動記録されるので、人気の本、不人気の本はすぐに分かることや、よく本を読んだ生徒に対して、表彰することができるなどです。意外にも、フリーソフトシステムを使えば簡単に導入できるそうなので、いろいろな学校でチャレンジしてはどうでしょう。
また、江戸川区中央図書館から司書が学校に来て、読み聞かせをしてくださるそうです。
こうした取り組みが認められ、「平成29年度 子どもの読書活動優秀実践校 文部科学大臣表彰」を受賞されました。これからも子どもたちの読書への関心が高くなっていくことを期待しています。

 

自慢の学校給食

鹿本学園の特色のもう一つは「給食」です。
皆が「鹿本の給食は美味しいんだよ~」と言うそうです。
どんな給食?どんなふうに、どんな職員さんで作っているのか?興味津々でいたところ、笑顔の素敵な管理栄養士さんお二人がお話を聞かせてくださいました。

高橋 笑美子さん(左)と亀山 奏恵さん(右)

 

手作りへのこだわり

高橋さんは、管理栄養士となって10年目。栄養士になるなら人の健康にかかわる仕事に就きたい、小中学校の時期は、人間の基礎ができる時期。食生活も、この時期に整えることは将来にわたって価値があることなんじゃないか、と思って学校給食の仕事を選んだそうです。
亀山さんも同じく管理栄養士で2年目だそうです。大学時代、小学校で実習をした際「子どもたちのために働きたい、何時間でも働ける」と直感したんだそう。食が豊かになれば、毎日が楽しくなる。子どもたち皆が生き生きと生活できるように、食の立場から元気に仕事をされています。

高橋さん:鹿本学園の給食は全て手作りすることを大切にしています。既製品は使いません。洋風スープは鶏ガラから、和風スープは厚削り節と昆布から出汁をしっかり取っています。カレーやシチューは小麦粉を炒めてルーを作り、コロッケやハンバーグ、ゼリー等のデザートも、食材の下処理や切りもの、成型、調理まで、全て学校で行っています。

亀山さん:いろいろな食材を使うことで、子どもたちに様々な食経験をしてもらいたいと考えています。私たちが美味しいと感じるものは、子どもたちにも食べて欲しいと思います。例えば、キムチなど、形態食には、あまり使われない食材でも、子どもたちに食す経験をしてもらいたいと思って献立に取り入れます。
障害を要因とした食べづらさがあれば、固さや形状など、もちろん、いろいろ工夫もします。キムチチャーハンやガーリックトーストなど、初めて登場した献立は、教室に行って子どもたちの意見を聞き、もっと食べやすい方法がないか考えています。

〈ある日のメニュー: カツ丼・野菜のゆかり和え・根菜のみそ汁・牛乳〉

工夫したポイント

  • 後期は見た目が普通食に近くなるように、卵とじとし、彩りでグリンピースを添えた。
  • カツの肉と卵のコンビネーションをどの形態でも楽しめるよう、初期・中期では卵豆腐を変化させて対応した。
  • 形態食でも普通食と同じようにゆかりの色を出すため、ゆかりを煮て色を出し、味を調整した。
  • カツのサクサク感と卵のふわふわ感が教室で合わさり、カツ丼が完成するようにした。

普通食

初期食

中期食

後期食

 

チームワーク抜群の給食スタッフ

おいしい給食を毎日手作りしてくれる調理師さんたち

 

亀山さん:私達が新しいチャレンジを重ねながら献立をつくり、調理ができるのは、強力なスタッフがいるおかげです。メンバーは多彩です。料亭や中華料理専門店の調理員さんだった方々、給食センターで大量調理の経験が豊富な方、保育園の調理スタッフだった方など、経験豊富なスタッフが、給食を支えています。皆が、鹿本学園の子どもたちのことを想い、寄り添いながら、より良い給食づくりを目指してくださることが、とても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。

高橋さん:今の子どもは、障害の有無にかかわらず、好き嫌いが多かったり、マナーが良くないことなど指摘されることが多いと思います。豊かな食、楽しい食であるためには、「どのように食べるか」も大切です。ちょっとした励ましや声掛けで、子どもたちは変化していきます。

新しい味を体験することで、味の五感が磨かれ、感性が豊かになっていくと聞きます。苦手を克服したり、食の場を楽しい場にできるよう働きかけていくことも、子どもたちの成長のために必要なことだと思います。
毎日学校で作っているのは、650食。そのうち、形状を変えて提供しているのは100食です。
子どもたちに合わせて、毎日、家庭で用意されているお母さんからは、給食の献立のレシピが欲しいなどの要望も出るようになりました。保護者の皆さんの意見や要望を聴く機会を大切にしながら、今後、応えていきたいと思っています。

 

併置校ならではの強力なPTA活動

併置型の特別支援学校が年々増えている今日、鹿本学園が肢体不自由教育部門と知的障害教育部門が日常的に交流し、一つの学校として、児童・生徒の教育が行なわれていることはご紹介してきましたが、PTA活動は、どのように行われているのでしょう。素敵な笑顔で元気にPTA活動、子育てをされているお2人にお話を伺いました。

左:鹿本学園PTA代表会長(知的障害教育部門)慶田城さよりさん 右:鹿本学園PTA部門会長(肢体不自由教育部門)橘 みきさん  お二人とも、3人のお子さんのお母さんです。

 

ーー知的障害部門と肢体不自由教育部門のPTA活動は交流があるのですか?
もちろんです。
S部門(肢体不自由教育部門)とN部門(知的障害教育部門)は常に交流してます。
お互いの子どもたちのことを日常的に知っていることが、PTAの運営にはとても役立つんです。
例えば、夏祭りのときに模擬店で出す、「焼きそば」。みんなが食べられて美味しい野菜の切り方はどのくらいの大きさがいいかな?とかチョコバナナは、どんな大きさで売る?なんてこと、肢体と知的の保護者が、学校全体の子どもたちのことを想像しながら決めるんです。みんなが明るく、そんな話をしているとき、学校で学ぶ子どもたちの生活が楽しく、充実したものであって欲しいと願う、同じ気持ちの仲間だなぁと思うんです。

夏祭りの様子

綿菓子などの露店が並ぶ

PTAバザーのチョコバナナ販売の様子

茶和会でのひとこま

 

ーー現代は、共働きの家庭も多くてPTAの活動も難しい学校もあると聞きますが?
そうですよね。
でも、保護者同士のつながりや、保護者と学校とのつながりが大事なことは間違いないと思うんです。子どもに障害が有る無し関係ないことだと思いますが、障害があれば、尚のことじゃないでしょうか。
実際、保護者の「茶話会」などを催すと・子どもの体のこと病気のこと、在宅でのケアのこと、思春期の対応、卒業後の進路のこと…。
「悩みを聞き、受け止めて欲しい」「情報が欲しい」という気持ちで参加される保護者の方がたくさんいます。せっかく、こんなに大きな学校です。保護者も孤立せず、みんなで子どもを育てて行けたらと思います。

ーーそうすると、PTA活動の方法にも工夫が必要ですか?
はい。
まず、PTAの役員にならなくても、学校に足を運んでもらえるような工夫が必要です。
ちょっとした空いた時間は、誰にもあると思うんです。そんな時間に学校に来て、誰かと話して、つながりができるようにすること大事だと思っています。
茶話会などを企画することもですが、鹿本学園には、恵まれた、PTAの部屋があって、子どもの付き添いに来られた方でも、ちょっと休憩に使ってもよい環境になっています。気軽に話せる空間があるのは、良いことだと思っています。

PTAグループ構成と役員会の設け方

PTAの役員になってからも、活動がしやすい無理のない体制づくりをしています。
役員会は、5つのグループに分けられていて、年間の行事の担当を各グループで分業します。グループのメンバーは、どのグループも肢体不自由部門と知的障害教育部門のPTAが混在するように組まれています。各グループのリーダーは決めますが、リーダーが来られないときは代替えでも構わないという事にしています。

外部組織との連携について

私たち会長職になると、外部のPTA組織等との関係もあります。例えば、東京都の知的障害PTA連合会などもその一つ。肢体不自由PTA連合会もあります。
こういう会議の場や、研究会も、鹿本学園のPTAは、知的なら知的(関係)の会合にしか出ない、などと決めつけずに、出席するようにしています。
何故なら、実は、私たちの子どもたちは、知的障害、肢体不自由といっても、両方の障害特性のあるお子さんが多いのです。実際、出席してみると勉強になることが本当に多い。
これを、学校に戻り、他のPTAの皆さんに伝えていくのも活動の一つと思っています。

また、特別支援学校以外の外部会議もあります。
東京都江戸川区も中学校PTA連合会とか、江戸川区小学校PTA連合会などです。
これらのつながりを持つのもとても大事です。なぜなら、東京都の「副籍交流」という制度は、ご存知だと思いますが、鹿本学園の児童・生徒も、自宅のある地域の学校にも在籍していて、年に何度か、地域の学校で、地域の子どもたちとの交流の機会があります。
子どもたちにとって貴重な機会を、特別支援学校以外の学校にも理解を得なければならないし、地域の方々にも理解して欲しいと思っています。
私達、特別支援学校の保護者も、地域の学校や子どもたちへの理解を深めることも大事です。大変なのは、障害児の保護者だけではないからです。
このような日常的な関係が、地域の絆を育むことになって、防災の問題などを、皆で乗り越えられるようになるんじゃないかと思っています。

ーー近年は、障害者差別解消法等、法制度も大きく動いています。
保護者として、これからの抱負やこのページを読まれている方にメッセージなどありますか?

橘さん:障害児の多くは、自分のことを語れません。だからこそ、特別支援学校のPTA活動はより大事なんだと思います。今日の保護者の暮らしにも様々な事情があってなかなか学校に足を運び活動する時間がもてない家庭も多くなっています。
その中で、情報がなく、孤立して、障害児を抱えての悩みが解決できない家庭が増えていくことも心配しています。PTA活動で、そういう保護者や家庭を支えて行けたらと思っています。

慶田城さん:子育ての仲間は大事です。障害のある子どもたちにも未来があります。
学校にいる間だけではなくて、この子どもたちが社会に出ていくところまで、保護者は見守り、支えなければなりません。子どもたちが生まれて、療育の場での仲間、学齢期の仲間、そして、卒後に続く…。ずっと必要ですよね。絆を繋げていきたいと心から思います。子どもたちのためにも保護者のためにも。



東京都立鹿本学園
東京都江戸川区本一色2-24-11
TEL:03-3653-7355 FAX:03-3652-3007
HP http://www.shikamotogakuen-sh.metro.tokyo.jp/site/zen/


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