宮城全国大会ご報告
<ダイジェスト版>

2016年8月23日(火)~24日(水)第59回全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会総会およびPTA・校長会合同研究大会が宮城のホテルメトロポリタン仙台で行われました。8月22日には台風が到来し、開会が心配されましたが、無事開催することができ一安心でした。

さすが「杜の都」仙台。緑がとっても綺麗でした!

今大会の会場となったホテルメトロポリタン仙台

全国からPTAのみなさんが集まってきました

1日目

開会式と基調講演

今回会場となったホテルメトロポリタン仙台は、仙台駅直結というとても利便性に優れた場所に位置していました。会場には早くから続々と参加者が集まり、受付カウンター前では久しぶりの再会を楽しむ参加者の姿も見られました。そうこうするうちに、開会式の開始時刻となり、取材スタッフも式場内へ。

IMG_5266_2

全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会 会長 竹内 ふき子さん

文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育調査官 分藤賢之さん

文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育調査官 分藤 賢之さん

主催者である全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会会長(東京都立城北特別支援学校PTA)の竹内ふき子さんから、「みなさん、日頃から全国肢体不自由特別支援学校PTA連合会(以下、肢P連)にご協力いただきありがとうございます。これからも肢P連はみなさんと一緒によりよい活動を進めていけるよう頑張っていきます」と挨拶がありました。

開会式が終了すると、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課 特別支援教育調査官 分藤 賢之さんによる基調講演の時間となりました。「新しい学習指導要領がめざす姿~子供たちの具体的な学びを支えるために~」をテーマにご講演されました。

 


企業ブース

今回も多くの企業の方々が出展。
防災グッズや書籍、機器やオムツなど、会場で初めて知った商品も多く、生活に役立つ情報が盛りだくさんでした。

完成したばかりの「せんだいist。」も販売されていました!((株)ジ・アース教育新社)

スペースをとらない非常用ランタン(全国肢体不自由児・者父母の会連合会)

今回一番賑わっていた指伝話のアプリ コンテンツはBluetoothで共有、カスタマイズもできる。 ((有)オフィス結アジア)

ヘルシーフード(株)の流動食(試供品)も大人気

企業のみなさんはどなたもとても気さくで、商品のことを分かりやすく説明してくださいました。魅力的な商品ばかりで、多くの保護者の方々が商品について質問をしながら熱心に話を聞いていました。

片手で開閉できる車椅子専用のタブレットケース(旭洋鉄工(株))

自動尿取り器(大和ハウス工業(株))

(株)大王製紙

リブドゥコーポレーション(株)

しぴれんの応援団でもあり、ベビー用オムツ「グーン」で馴染み深い(株)大王製紙と、サイズ展開の豊富な大人用オムツ「リフレ」を扱っているリブドゥコーポレーションも出展していました。

 


 

分科会

1日目の夕方からは6つのテーマに分かれて、全国の学校から選ばれたPTAの代表の方による分科会が始まりました。

第1分科会「学校」
「子どもたちの学校教育を支え、社会自立を育むため、学校との連携をどのように深めていくか

<発表テーマ>子どもたちの学校教育を支え、社会自立を育むため、学校との連携をどのように深めていくか

第1分科会では、もっと多くの会員の方がPTA活動に参加できるようになるためにどのようなことができるのかということを、滋賀県立三雲養護学校独自のPTA活動の特色について紹介しながら発表されました。

助言は、仙台大学体育学部 教授の渡邊 康男氏

発表者は、滋賀県立三雲養護学校のPTA会長 大野 麻理子さんと柴田 真由美さん

 

第2分科会「地域」
「子どもたちの将来にわたり安全で豊かな地域生活を支えるため、地域との連携をどのように深めていくか」

<発表テーマ> 子どもたちとつなげよう、ひろげよう、地域の輪

第2分科会では、地域の団体との連携を通じたPTA活動を紹介しながら、地域の方々に子どもたちへの理解を深めてもらう方法について発表しました。

助言は、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 主任研究員の北川貴章氏

発表者は岡山県立早島支援学校PTA会長の中村国則さん

 

第3分科会「福祉」
「子どもたちの現在及び将来の自立生活を支え、確保するために福祉機関等との連携をどのように深めていくか」

<発表テーマ> 預かり事業の実現に向けて

第3分科会では、発表者がご自身の経験を紹介しながら、関係機関との連携の方法・成果などを発表しました。

助言は、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 障害福祉障害児・発達障害者支援室 障害児支援専門官の小島 裕司氏

発表者は熊本県立松橋支援学校旧PTA役員の原口まり子さんとPTA会長の藤田 靖司さん、司会は校長の甲斐 憲彦先生

 

第4分科会「進路」
「子どもたちの社会参加と自立の実現を目指し、ライフステージに合わせた支援をどのように行っていくか」

<発表テーマ>肢体不自由特別支援学校ならではの特色あるキャリア教育を目指して

第4分科会では、障害のある子どもたちの進路について、障害者雇用の実態を踏まえながら、今後必要となる支援の在り方について発表しました。

助言は、厚生労働省職業安定局雇用開発部 障害者雇用専門官の佐々木 直人氏

発表者は福島県立平養護学校PTA会長の赤津 修さんと教諭の面川 英範さん

 

第5分科会「医療」
「子どもたちの健康・安全の保持を基本に医療機関や従事者との連携をどのように深めていくか」

<発表テーマ>子ども・保護者・学校・地域をつなぐ医療ケア連絡会の取組

第5分科会では、医療ケアの必要な子どもたちとその保護者が孤立しないためにどのようなPTA活動を行ったらよいか、独自の取り組みを紹介しながら発表しました。

助言は、宮城県拓桃医療療育センター 名誉院長 諸根 彬氏

発表者は神奈川県立中原養護学校PTA会長の佐竹 ひろみさんと副会長の黒川 幸子さん、司会は副会長の藤井 礼子さん

第6分科会「機器」
「子どもたちの可能性を広げ、生活を豊かにするコミュニケーション支援をどのように深めていくか」

<発表テーマ>家庭と学校における機器の活用について学校と家庭との連携とその取組

第6分科会では、ニーズが高まっている「機器」について活用事例を紹介しながら、今後家庭と学校が「機器」の使用についてどのように連携していくことができるかということを発表しました。

助言は、宮城教育大学特別支援教育講座 講師の寺本 淳志氏

発表者は岐阜県立関特別支援学校PTA会長の日比野恵美さん

 


 

保育の様子

大会中、子どもたちは、担当の先生方が見守るなか、会場内にある保育室で時間を過ごしていました。

途中、今回宮城大会に駆けつけてくれた宮城・仙台のご当地キャラクター「むすび丸」が登場するサプライズに、子どもたちも大喜び!地元仙台のボランティアの方の「読み聞かせ」もありました。

むすび丸が来てくれました!写真は瀬戸特別支援学校の牧聖真君(12歳)

IMG_0615_2

アンパンマンやディズニー映画のDVDが上映され、子どもたちもリラックスした様子でした。


 

懇親会

1日目の最後はお楽しみの懇親会!

「乾杯!」の音頭で始まるやいなや、宮城大学の踊りサークル「娘すずめ。」が壇上に登場。扇子を持って踊る『踊り手』と、太鼓や笛などの楽器を演奏する『お囃子(おはやし)』で活気ある踊りを披露してくれました!なんと、嵐のコンサートに出演したこともあるとか。宮城の伝統文化を感じられる、小気味良い踊りに、会場も大盛り上がり!

サークルの会員133名の中から参加者を募り、今大会のために練習をしてくださった、宮城大学「娘すすめ。」サークルの皆さん

 

懇親会の途中、遠くから本大会に参加された3人のお子さんと保護者の方々に、今回参加してみた感想を伺ってみることに。

IMG_0746_2

古池 玲乃愛さんとお母さんの敦子さん

まずは、滋賀県立甲良養護学校に通う小学校6年生の古池玲乃愛さん。玲乃愛さんは発話ができないため、なかなか意思疎通が難しく、お母さんは以前からもっと玲乃愛さんの気持ちを汲み取りたいと思っていたそう。今回、宮城大会に参加して、企業ブースに出展されていた「指伝話アプリ」を試してみたところ、玲乃愛さんの「靴を履きたい」という気持ちを知ることができたことに感激したそうです。

IMG_0748_2

齋藤 浩輔君とお母さんの美知恵さん

次に、愛知県立一宮特別支援学校に通う中学3年生の齋藤浩輔君。小学校5年生の終わり、持病の筋ジストロフィーが悪化し、急に歩けなくなり、2学期から特別支援学校に転校したそうです。転校してからは、それまでできなかったことが自分一人でできるようになって、やりがいを感じることができるようになり、今となっては、「転校してよかった!」と感じているそうです。将来の夢を尋ねたところ、「パソコン関係の仕事をしたい」と浩輔君。そのために、いまは独学で勉強をしているのだとか。

最後に、東京都内の特別支援学校に通う中学2年生のM.K君。今回はお父さんと一緒に宮城大会に参加されていました。今後タブレット端末の使用を検討しており、第6分科会「機器」を聴講されたとのこと。そのなかで、しぴれんWEBの「育てびと」で紹介されている、九州ルーテル学院大学3年生の柴田美優さんの小学生の頃から大学2年生(昨年8月時点)までの学習姿を記録した映像が流れたそうで、その成長過程にとても感動したそう。

懇親会ではどの席も、PTAの方々、学校の先生がゆっくりと交流を深められたようで、和やかなムードに包まれていました。

カメラを向けた途端、笑顔を向けてくださったみなさん。

どの席も笑顔が溢れていました!

来年度の全国大会は東京で開催されます。
東京校のPTAの皆さんが一体となって、キャッチコピー「つなぐ つなげる つながる」を表現。

IMG_0759_2

懇親会直前までリハーサルをされていたこともあって、みなさん息がピッタリ!

IMG_0764_2

手を取り合う、分藤調査官と中西校長

2日目

会員研修

テーマ「震災のあの時・そして今伝えたいこと」

講師 宮城県立船岡支援学校前PTA会長 入生田 景子さん

IMG_0793_2

スライドに映し出されたお子さんとの2ショット写真の前で発表される入生田さん

 

IMG_0804_2

今大会の運営係を務められていた永浦 典子さん

会員研修では、宮城県立船岡支援学校前PTA会長の入生田景子さんが「震災のあの時・そしていま伝えたいこと」と題して講演されました。入生田さんは冷静な語り口でご自身の被災体験を語られた後、「近所付き合いはあったけれど、誰もが被災者で、自分のことで精一杯。大きな災害時には自分たち家族のことは自分たちでしか守ることができないということがわかった」と強く語っていました。

質疑応答の時間、「被災時、医療ケアの高い子どもへどのように対応をされていたのか」という質問では、お子さんが船岡支援学校に通っている永浦典子さんが挙手をして発言。

永浦さんのお子さんは人工呼吸器を使用しているそうで、地震直後、津波のしぶきが見え、避難しようとしたとき、近所の人にスーパーまで車で乗せてもらい、そこから救急車で病院に行ったとのことです。道が混み、なかなか到着できず電力もない状況のなか、2時間もの間、自分の手でお子さんの人工呼吸器を動かしつづけていた、という体験談を伝えてくれました。

研修終了後、入生田さんの講演にPTAの方々から「感激した」「災害時の備えや心構えがよくわかった」というような多くの感想をいただきました!

 


会員懇話会

<テーマ>  防災について
1.心配なこと
2.支えてくれるであろう組織、つながりって何だろう?

ファシリテーターは、NPO法人よこはま地域福祉研究センター センター長 佐塚 玲子氏

 

会員研修会の後、「防災」をテーマにしたワールドカフェ。リラックスした雰囲気の中で、参加者全員が意見を交換し、時間が経つとそれぞれが別のグループに移動するスタイルです。

1つめのテーマ「心配なこと」では、共感できることも多かったようです。

「災害時に限らず、日頃から地域とのつながりを作ること大切だと思います」と松橋支援学校PTA会長の藤田 靖司さん。

ワールドカフェでは話すことも大切ですが、誰もが話しやすい雰囲気になるように゛傾聴”の姿勢で相手の話を聞くことがとても大切。日頃からどのような人・組織とどのようなつながりをつくっていきたいか、グループごとに意見を出し合い、模造紙に付箋を貼っていきました。災害時に、簡易的に作ることのできる医療用品を紹介されている方も。みなさん、実体験を踏まえながらいろいろな思いを伝えあっていました。

 

全国各地から集まった方々により、グループのメンバーの地域性も異なる中で、それぞれの「災害」に関する体験や思い、知恵を共有し、非常に有意義な時間が持たれていたようです。みなさん、終始、笑顔で楽しんで進められていたのが印象的でした!


(クリックで拡大)


 

全体会

最後に全体会の時間となり、分科会、そして宮城大会の全体に関する講評の時間が持たれました。そのうち以下2つを抜粋して掲載します。

1 分科会報告

第6分科会「機器」 指導助言者 宮城教育大学特別支援教育講座 講師 寺本 淳志氏

iPad等タブレット端末やスイッチ等の『機器』には①使う人の能力を引き出す、②教材として使用できる、③楽しむ、の3つの利点があると考えています。会場内は多くの方が集まり、質疑も活発に行われ、関心の高さが伺えました。今後は、機器を使うことが目的ではなくて、機器を通してどんな暮らしを送ることができるのか、学校と家庭が連携をとって考えていくことが大切になると思います。

2 全体講評

全国特別支援教育推進連盟理事長 大南 英明氏

分科会のどれもよいテーマが設定されていたので、協議しやすく理解が深まったのではないかと思います。それぞれの分科会に少しずつ参加させていただいて、3つのことを感じました。

1つは、PTAの特色ある内容に焦点が当てられていて、発表が非常にわかりやすかったこと。2つ目はできないことをお願いできる人が近くいることの大切さを実感できたこと。そして、3つ目は参加している人の姿勢・態度がよく、的確に話を理解し、質問する姿が印象的だったことです。
また、パワーポイントがカラフルで写真を効果的に使用していて、非常に見やすかったと思います。

 


 

閉会式

IMG_0957_2

閉会式では、主催者あいさつとして、全国特別支援学校肢体不自由教育校長会 会長 田村康二朗さんが童話『おおきなかぶ』の話を引用しながら、今大会に対する感謝の思いを話されました。これからも肢体不自由児の存在をアピールし、理解してもらいたい、とおっしゃっていました。

全肢P連「宮城大会」副実行委員長であり、宮城県立船岡支援学校長 阿部文男さんが、開催地校を代表して挨拶をされました。

IMG_0962_2

次年度の開催地校である東京都立北特別支援学校長 中西郁さんが、次回の全国大会へつなげるための意気込みを話されました。

IMG_0965_2

最後に、今大会の会場準備・運営等を担っていただいたPTAの方々にお集まりいただきました。みなさん、本当にありがとうございました!

PTAの皆さん、お疲れ様でした!


宮城全国大会ご報告
<ダイジェスト版>

Comments are closed